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最近『宇宙』を感じたエピソード

2014年4月22日講義 翻訳という異文化交流
嶋田 洋一先生

 

 宇宙を感じたこと・・・残念ながら最近の出来事では思いつくことができなかったのだが、このテーマを聞いた時はじめに思いついたのは「海」だった。

 

 中学生の時にハワイに旅行に行った時のこと。サンゴ礁の美しいハナウマ湾の浅瀬から少し入ったところで、わたしは友達から距離を置いてひとり海に耳まで浸かって浮かんでみた。周りの喧騒は全て消えて、聞こえるのは海の音と自分の心臓の音だけ。この時、「母なる海」に自分は今まさに包まれている!と興奮したと同時にとても安心感を抱いたことを覚えている。今回のテーマは「宇宙」に関することだが、わたしは、“海”と“宇宙”はとても似ているのではないか、と考える。どちらも暗くて孤独だ。もし自分が大海原にひとり放り出されたら、圧倒的な孤独感とどうしようもない不安が襲ってくるだろう。これはきっと、宇宙であったとしても同じだ。

 

 地上だったらどうだろう。海や宇宙に比べれば、さほどでもない気がする。何故、海や宇宙では孤独感が他の場所よりも圧倒的に増すのか。それは、きっと外界から完全に隔離されているからだろう。人間にとって呼吸ができないことは「死」を意味し、そこでは決して生活することができない、ということも意味する。その意味で、人間にとって海と宇宙は永久に別世界であり、未知の世界なのだ。未知であるからこそ人は惹かれ、様々な想いを寄せるのだろう。

 

 こうした点で見ると、海は人間にとって一番身近にある、宇宙を疑似体験できる場所なのかもしれない。全く正反対の場所にあって、一番近くて遠い存在の海と宇宙。今度海に行って、宇宙に思いを馳せてみたい。

Risako Hayakawa

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