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タイムパラドックスを克服する方法

2014年6月24日講義 時間SF と平行宇宙
小谷 真理先生

 私が考えるタイムパラドックスの克服法はタイムパラドックス自体が予定調和のために起きる現象だと解釈することだ。もしタイムパラドックスが起きて自分が過去にさかのぼったとしてもそれは現在において自分が本来歩むはずだった運命に逆らった行動をした場合、その予定調和としてタイムパラドックスが起きるということだ。現在の自分の行動が未来に影響を及ぼすことを回避する手段としてタイムパラドックスが存在することになれば自分の未来の運命の軌道修正というだけで自分の未来は一切変わることはない。あくまでもタイムパラドックスで過去に戻る意味はもう一回自分が本来取るべきだった行動自体を行うだけだからである。

 

 普通の解釈だと過去に起こした行動と未来におこした行動で矛盾が生じてしまうが、運命を変えられる時間軸を現在に限定することで修正しなきゃいけない時間軸の中に未来は入ってこなくなる。

 

 過去・現在・未来について考え始めて思ったのはこの三つの時間としての概念自体が非常に近い距離にあるなと思った。言ってしまえば今この瞬間にも過去・現在・未来は共存された状態で存在しているわけである。過去・現在に関してはいま無限に長さが増えていくわけだが未来に関しては短くなるにしても自分の人生の全体の長さが分からない分、人によって短くなっていくスピードが違うと思う。そうなると未来自体本当に存在するのか、また実際は存在していないのではないかと思う。そうすればタイムパラドックス自体が存在しなくなるのである意味、これもタイムパラドックスの一つの解決方法だと私は思う。以上が私の考えるタイムパラドックスの克服方法である。

Midori Sato

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